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2009年01月01日

テリトリー

モノトーンの部屋の中
BGMはビートルズ
若さとスリルのリフレイン

虚構の世界は
電気じかけの振子時計

偽りの自由と
仕組まれた喜びが
そこここにただよう街

あこがれのショウウインドウのむこうは
いつも輝くマネキンワールド

笑顔の君も
プラネタリウムの渡り鳥
鏡に向かって手を振るけれど
応えるものは
陽炎の夢

Make up your mind!
 
 虹の彼方へ。
               「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)を修正」  


Posted by おやぶん@北海道 at 16:03Comments(0)

2009年01月01日

あした浜辺で

あした浜辺で
すなをひろって
海にすてよう

あした浜辺で
空を見上げて
星をつかもう

ゆうべの落葉と
見知らぬ鳥の
不思議なセレナーデ

あかい葡萄酒(ワイン)に
うかんで消えた
夢は夜空の一つ星

たったひとりで
ちょっと気取って
あした浜辺で。
               「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)を修正」  


Posted by おやぶん@北海道 at 15:59Comments(0)

2009年01月01日

シルエット

夕日に向かって立つ君は
今日もひとり

坂道をころがっていく蜜柑が
見えなくなったなら
今日もひとりきり

おれんじ色の光の中
すいこまれていったカラスたちが
耳障りな鳴き声とともに消え去ると
今日もやっぱりひとりきり

やがてその背に朝日をあびてひとりきりの明日。
               「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)を修正」  


Posted by おやぶん@北海道 at 15:57Comments(0)

2009年01月01日

相似

きらりとひかったのは
あなたの言葉。

こころ魅かれたのは
相似形の論理。

にぎやかな遊園地の孤独と
一人芝居の主人公たちが
静かに微笑む夕べ。
               「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)を修正」  


Posted by おやぶん@北海道 at 15:55Comments(0)

2009年01月01日

Traveler

木枯らしの中を歩いてきた君が
少し大きく見えた

ややもすると たおれそうになりながら
一人歩いてきた君を
あたたかな花園が迎える

旅人はまた夜明けとともに歩き出すだろう
春なお遠い深緑の海を
彼方の灯火に導かれ、
背負った涙の小さな軌跡が
ほのかに光る。
               「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)を修正」  


Posted by おやぶん@北海道 at 15:53Comments(0)

2009年01月01日

北風

言葉少なに訴えかけるひとみ
つぶらなそのひとみのどこに
戦慄の悪魔がいたのか

一陣の北風にもてあそばれ
かきけされた 小さなほのおの残像が
今もなおゆらめく

さあ、いま一度灯をともそう。
やがてくるだろう波を乗り越え
片隅に追いやられた希望(ゆめ)を呼び戻し
消されることのない光が
君の心にみたされるよう
               「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)を修正」  


Posted by おやぶん@北海道 at 15:51Comments(0)

2009年01月01日

ある少女へ—今、鏡の中で溺れかけている君に

鏡の中に君がいる
左右対称の別世界(パラレルワールド)が
あやしく虹色に光る

迷宮の旅人たちがいざなう彼方は
あたたかくつつみこむ虚構の街角

鏡の中で君が笑っている
むなしく陰あるその微笑みに
しずかに夕陽が沈む

自らの世界と
自らの時間を

偽りの自由とひきかえ

自らの夢を捨て
自らの影におびえ
よどんだ空気に身をまかせ
やがて、迷宮の旅人の一人として
光あせていく君

強く、そして激しく、
虚構をつき崩し
鏡の扉を開け
自らの光を放て

戦いの中で勝ち取るものの中にこそ
真実の未来がある

そして、それこそが
君自身に翼をもたらす
唯一の、
しかし力強い光となろう
               「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)を修正」  


Posted by おやぶん@北海道 at 15:48Comments(0)

2009年01月01日

みんなのさがしもの

散らかった部屋の散乱した服の下
教室の机の中や廊下の片隅に
そいつはきっと埋もれているんだ。

料理や洗濯や掃除のさなかにも
授業や作業の時だって
そいつはきっと生まれてくるんだ。

誰かに愛されるとか
誰かを愛したとか
そんな大義名分はなくても
そいつはきっとそばにいるんだ。
         
気づかないだけの こびと。
               「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)を修正」  


Posted by おやぶん@北海道 at 15:42Comments(0)

2009年01月01日

ふと気づくと 僕は切り裂かれていた
優しく愛くるしい瞳の億には どんな殺意があったのか
おのれの殺意に気づかずに
サタンは生きている

彼らに悪意はなかった
しかし それ故の罪深さにも
気づいてはいないのだ

ふと気づくと 僕は包まれていた
いにしえの彼方に殺意は消えさり
まばゆい光の中 自らの放つ力のおおきさをもてあますミカエル

彼らに殺意はなかった
そして それ故の美しさもしらぬのだ

鏡に僕がうつっている

               「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)を修正」  


Posted by おやぶん@北海道 at 15:39Comments(0)

2009年01月01日

無能

波がおしよせてくるくる
暗く冷たい絶望の淵から

周囲の明るさとは裏腹な
見落としがちな毎日の中に
確かに存在するもの

波がおしよせてくる
救いをもとめ、わらをもつかもうとして

けれども 私は
それに答えるすべをしらぬ
ただ波をうけとめ 右往左往する

波がおしよせてくる
見守ることしかできないのか
彼らの溺死を
波の行方を
そして 自分の無力さを
               「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)を修正」  


Posted by おやぶん@北海道 at 15:35Comments(0)

2008年01月03日

雨の景色

朝起きると 雨だった。

いさぎよく すべてを洗い流そうとするかのように
うちひしがれた者を 武骨になぐさめるかのように
雨が降っていた。

        にびいろ う み
はるか彼方には 鈍 色の噴火湾
雨は吸い込まれるように水面にふりそそぐ

海に挑むように
空と訣別するように
雨が降っている。

 そして 私は雨の心が好きになる。
                「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)を修正」  


Posted by おやぶん@北海道 at 22:17Comments(0)

2008年01月03日

けものみち

ほそく ほそく
白い大地と黒い空の接線にすいこまれ
ながく ながく
その彼方へとわたしを誘う

たがためにと踏み固めたわけでもないだろうに
それは道として私を招く

無言の意思として
無限の夢のように
私に語りかけるものよ

やがて私の足跡も
一つの意思の残り火として
輝くのだろうか。。
                「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)より」
  


Posted by おやぶん@北海道 at 22:10Comments(0)

2008年01月03日

序詩

通りを歩いている時でも
ふと立ち止まりたくなるような、
本を読んでいる時の
一瞬の空白にも似た
そんな時間を過ごしていたい。

貝殻を重ねるような
あぶなっかしい毎日が
やがて一つのケルンになる

賽の河原のごときその群れこそが
具象化された時代そのものだ
そうしてぼくは
通り過ぎた空白の記憶を
またひとつ積み重ねる。
                「父と子の二十代詩集 時代(1989年刊)より」  


Posted by おやぶん@北海道 at 22:07Comments(0)

2007年11月08日

これからの君に

これからの君に
じょうずなころびかたを教えよう
小さな手でも おきあがれるように
じょうずなおきあがりかたを教えよう
前をむいて またあるきだせるように

でこぼこ道はゆっくりと
向かい風には目をしばたかせ
疲れた人には手をのべる
ほんのちいさな歩みだけれど
やがて僕らも追い越して

そんな君のあしたのために
僕らはそっとまわりみちを教えよう
1995.1.1  


Posted by おやぶん@北海道 at 11:26Comments(0)

2007年11月08日

おまえの瞳には
未来が映っている

私たちが失いかけている
未知数に彩られた
まだ眠っている 遠い夢たち

私たちが置き忘れてきた
始まりの予感とともに来る
朝の新鮮さ。

お前の瞳には
そんな時間がぼんやりと映っている

今日も 私たちは
遥かなるその光のために
カアテンをあけた。

朝もやにかすむ空の息吹が
おまえの足元に
また
新しい冒険を
やさしくまねくように
1994.1.1  


Posted by おやぶん@北海道 at 11:22Comments(0)

2007年11月08日

友をおくる

夜来の雨が坂道を濡らしていた.
舗道は遠く、
徐々に重くなる足を
ひきずるようにして
私は斎場へとむかった.

読経と涙の中
彼の人生の送り火が
やさしくゆらめいて
あの頃へとさそっている.

青空へむけ
紙飛行機に夢を託して
遠く 飛ばしあったおれ達.

グランドで夕日に追われるまで
陣取りに走ったおれ達.

白木の箱が
脇にいた私の前を
足早に通り過ぎ
雨足がひときわ強くなったころ
"彼"は家族とともに
バスに乗った.

ほどなくバスは出発し
見えなくなるまで
見送った私を
舗道に残して
"彼"は行った.

雨は忘れまい.
この若き友の昨日を.
そして私も
この雨中のできごとを
忘れることはない.

雨はいっこうに
止む気配がなかった.

1992.8.13 友 後藤明(功学院明譽俊英居士)告別式にて  


Posted by おやぶん@北海道 at 11:18Comments(0)

2007年11月08日

断絶の糸

その午後、糸は絶ち切られた.

それは突然のクレパスから
無機質な朗読調のニュースにのって
私の心をかすめとっていった.

いつかまた…、と
再開の日を想い
互いに強く記憶にむすびあっていた
あの糸が
その午後ふっつりと切れた.

もう何も、
あいつと私の間には
残されたものなどないけれど
私の心にまだ残っているあの笑顔は
遺影よりも
幾分 幼かった.

あれ以来
互いに別な道を選び
ひたすらに歩んで
そうして
いってしまったおまえ.

この夏の午後を
私は忘れまい.
私の心の
大きな1頁を破り去った
あの、液体窒素の煙.
そして、
あいつの
夢とともに.
1992.8.10 友 後藤明事故死す.
  


Posted by おやぶん@北海道 at 11:17Comments(0)

2007年11月08日

ホーガンの老婆

谷間の平坦地に
ホーガンと呼ばれる
小さな家がふたつ
ひっそりと並んでいた.

運転手兼ガイドの
ナバホの娘はまだあどけない少女だが
やはりモンゴロイドの美しさだ.

まるいホーガンの中では
老婆がひとり
腰をおろしたまま、
何とかいう織物をつくっている.

この一行に
にっこりと笑いかけた
老婆の笑顔に
しいたげられた歴史を見たのは
私だけだったろうか.

となりのホーガンが、
彼女の夫の死とともに
住居としての使命を終えたように
やがてこのホーガンも
老婆の墓となり
砂にうもれることだろう.

彼女、ホーガンの老婆は
こうして今日も
自らの墓で
またあの織物を
無表情に織っている.

そう、
まさにナバホの老婆が.
〜ナバホ自治区Monumento Vallayにて〜
1992.1.9 
  


Posted by おやぶん@北海道 at 11:17Comments(0)

2007年11月08日

蟷螂の斧

澄んだ青空が
木々の間から
見え隠れしている

薄暗い山中には
またあの気配だ

息を潜め
身を隠し
付かず
離れず
じっと観察している奴ら

冷たく
無機質でさえある
それら生命の集合体が
今日も私をゆさぶっている

ロックハンマーを振り上げ
それらに切り込もうとして
顔をあげると
何事もなかったかように
清冽な沢水は
せせらぎをのこして
流れ去ってゆくが
それらはたしかに
私を拒絶しているのだ

そしてこの小さな露頭の礫や
河床のsandostoneも
それらの先兵隊として
やはり、
私をあざ笑っている
1992.1.9  


Posted by おやぶん@北海道 at 11:15Comments(0)

2007年11月08日

あいつ

あの時は悪かったと
口に出さなくても
あいつはわかっているはずだと
ぼくは信じている.

思いきり怒鳴ったり
徹底的に打ちのめして
にらみあったりしたのに
あいつはわかっているはずだと
ぼくは信じている

でも
やっぱりあいつの考えは間違っていると
ぼくは思っているが
あいつもきっと
そう思っているに違いないと
ぼくはやっぱり信じている

もう
声も聞けないほど
遠いあいつだが
きっと……
と、ぼくは信じている

そして、
ずっと信じ続けていられるだろうと
今日は信じていたい
1992.1.9  


Posted by おやぶん@北海道 at 11:14Comments(0)